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私は『離島』で考えた
石黒

 沖縄には有人離島が49島(2017年1月住民基本台帳により人口が確認されている島)、この一年で(1)北・南大東島、(2)鳩間島、(3)波照間島、(4)慶留間島、(5)由布島などに滞在。(1)貨客船が接岸出来ずクレーンに吊るされたゴンドラで上陸、(2)人口40人((4)(5)も同程度)、(2)(3)は航路が外海(東シナ海)のためフェリーの欠航率が高い。「上陸する難度が高い」「食堂も無い」「観光客が稀有」が冒険心を擽る。
 
 未だ願いが叶わないのは新城島、嘉弥真島、外離島など6島。何れも人口10人程度、航空便はおろか船便も無い孤島。今月末は新城島へ、石垣島を経て西表島から漁船等で向う。島民が催行する『集落跡を訪ねるツアー』に参加を目論む。遺跡や御嶽が点在、海底送電・送水で電気・水道は使え、小学校跡に公民館も存在する。住人の多くは西表島や石垣島にも住居を構え、定住者は農・畜産業を営む。
 
 1月中旬、5人の乗客を乗せた小型船が鳩間港に滑りこむ。フェリーターミナルとは名ばかり、平屋の建物がポツン、漆喰で固められた赤瓦の民家が数軒見える。『鳩間ブルー』と呼ばれる真青な海に囲まれた小さな島、昔の沖縄にタイムスリップしたかのような集落が続く。自転車に乗った若い女性が、うっそうと茂るヒルギのトンネルを走り去る。時刻は午後一時、亜熱帯のジャングルを抜け鳩間灯台を目指す。

J-PRESS 2019年 8月号