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宇宙の温度
小野

 今年も暑い季節がやってきました。この夏も異常気象になるのかと心配していますが、最近では異常気象が通常になってきましたから、標準的な夏が来たら、もはやそれが異常気象なのかもしれません。
 
 日本に住んでいれば四季があるのが当然と感じてしまいますが、世界をみるとご存知の通りさまざまな気候が存在します。日本の反対側にあるブラジルでは、日本とは夏冬が逆転するのはもちろん、冬なのに今日は30℃なんて日もあるそうです。
 
 また、サバナ気候のように雨季、乾季があるのは有名ですが、それらの景観の違いは日本の四季どころではありません。私もテレビや写真でしか見たことがありませんが、実際に住むとなったら驚くことばかりだと思います。
 
 近所に住んでいるロシア人(旦那さんは以前にも登場したアメリカ人)のお話。彼女の父親(ロシア在住)から送られてきた自撮りの写メを見せてくれました。豪雪の中でピースサインをしている写真とコメントが一言。「今年の冬はあったかいぜ、-15℃」ちょっと言っている意味がわかりません。その彼女は寒さが苦手で、家にいるときは暖房+防寒具を着て冬を過ごしているそうです。
 
 ところで、ロシアや南極といった地域も寒いですが、宇宙の温度って一体何度なのでしょうか。宇宙と言ってもいろんな環境があるのですが、一般に想像するほぼ真空状態の宇宙。そこでは熱を伝える物体がほとんどありませんから絶対零度(約-273℃)に近い約-270℃だと言われています。
 
 ここで素朴な疑問を1つ。-270℃の宇宙空間に人間がそのまま入ったら、瞬時に凍ってしまうのでしょうか。映画で、液体窒素をかけられて瞬間的に凍る場面を見たことがありますが。答えはNo. 熱を伝える物質がないということは、体から熱を奪うこともできないのでこのことによる体温の変化はありません。ただし体からの放射熱や太陽光などによって徐々に体温は変化していきます。-270℃に居ながら凍ることもなく、寒さを感じないなんて不思議な感覚ですね。もちろん実際に生身で宇宙空間に出れば身体に諸々の異常が起こって暑い、寒いなんて言ってる状況ではないと思いますが。それでも即死することはなく数分程度は生きられるようです。(真空だからといって破裂することもないらしい。)
 
 将来的には「宇宙で生き抜く方法」なんて知識も必要かもしれませんが、今は現実に目を向けましょう。これからやって来るのは30℃を越える暑い夏です。それこそ生身で外に出ても即死することはありませんが、油断すれば熱中症や、夏風邪、夏ばて、と無視できない症状が引き起こります。対策としては冷たいものばかり食べないとか、生活リズムを崩さないといったことが挙げられますが、何にせよ夏本番が来てからでは間に合いません。今のうちから夏を乗り切る準備をする必要がありますね。私も今月は夏に負けない身体作り(食事面で)を目指して頑張ります。

J-PRESS 2019年 7月号