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くらうど
木村

 クラウドサービス、iCloud(アイクラウド)などという言葉を聞きます。たとえば、自宅のパソコンで作成した文書を出先の携帯端末でいつでも見られる、または、携帯端末に保存してある写真を別の携帯端末からも見られる、といったようなことのようです。自宅のパソコンに接続するのではなく、自宅のパソコンのファイルがサービス提供者のサーバーにコピーされて、他の端末からもそのサーバーへ自動的にアクセスするらしいです。「自動的に」と言っても、最初にどのファイルをアップするか、また、どの端末からアクセスするかは予め登録をするようですが、この「自動的に」の仕組みを理解していないと何かとトラブルに。
 
 半年ほど前に、ガラケーをiPhone(新)に変更したのですが、その際にアドレス帳を転送しました。ところが、もっと前から使っていたもう1台のiPhone(旧)でiCloudサービスをオンにしていて、新しいiPhone(新)も偶然オンになっていたために、ガラケーに入っていたすべての連絡先がiPhone(旧)にも転送、iPhone(旧)のラインアプリの「友だち自動追加」がオンになっていたために、ラインに大量の「あなたの友だちかも?」が登場してしまい、その人たちに連絡をとったり削除したりで大変でした。ガラケー→iPhone(新)→iPhone(旧)の連絡先→ライン、個人情報が一瞬にして流れたことになります。これも、連絡先を一人ひとり手入力すれば済むものを、楽して一括転送など試みたことの罰ですね。
 
 ラインは、機種を変更したりすると、それまでの登録情報、特にトーク履歴が引き継がれるか否かが問題で古いものをそのまま使っています。「とりあえず、パソコンでバックアップをとって、ああしてこうしておけば引き継がれるらしい」という情報の通りやっているのですが、以前パソコンへのバックアップ中にトラブルがあり、すべて消えたことがありました。パソコンには、消えた状態がバックアップとして残り、復元しようにもできず、頭の中がちょっと白くなりかけました(笑)このとき、偶然にもその少し前にパソコン全体のバックアップをとっており、それを手がかりにパソコンを復元し、その中にあるライントークの保存ファイルを取り出し、iPhoneに入れることで復元に成功したことがあります。
 
 音楽の視聴が、CDをパソコン・携帯端末に取り込むスタイルから、携帯端末で直接購入したりYouTubeで視聴するスタイルに、さらには配信サービスで視聴するスタイルへと変化しているようです。ラインでもそのサービスが始まり頻繁にメッセージが届きます。また中には、自宅のパソコンに保存されている音楽ファイルのデータを基に、個人の好みを配信するようなものも。しかしその際に、情報が漏洩したり、自宅パソコンのファイルが削除されたというトラブルもあるようです。
 
 「今どきの」このようなスタイルとは一線を画していたつもりなのに、いつの間にか自分も足を踏み入れそうになっています。

J-PRESS 2015年 9月号