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ちょっとマニアなカメラ男子
木村

 7月中旬、高校時代の先輩がSNSで曰く、「仕事で飛騨古川へ来ています」「せっかくなので、町を散策中」。よく記事を載せてくれる先輩なのですが、今回ばかりは「あっ、古川、懐かしいなぁ、行きたいなぁ」。…というのも、数年前に友だちと「撮影会しようよ」ということで古い一眼レフカメラをひっぱり出し、カメラやさんで簡単なクリーニング。交換レンズはもとより、ストロボ、ワインダーなど一式が残っていて、どれも20年ぶりぐらいに動かしました。ワインダーというのはカメラ本体の下に取り付けて、連続撮影をしたり、1枚撮るごとにフイルムを巻いてくれるもの(ちなみに、毎秒何コマ以上の速さだと「モータードライブ」と呼ぶそうです笑)。カシャーン、カシャーンというその音がいかにも「カメラ男子」。電池一式と、肝心のフイルムを購入して準備万端。こうして飛騨路へ向かい、「古い町並み通り」という名の通りがある古川に立ち寄ったのでした。…久しぶりだし、ドライブ兼ねて行こうかな。こんどの休日は…。あぁ、夏期講習に入っちゃうからだいぶ先だし、じゃあ「今でしょ」ということで今から行こう、とお昼前に急遽出発。滞在時間は30分くらいでしたが、天気もよく、「あぁ、こんなだったなぁ」「ここ歩いたなぁ」と、あわただしい夏期講習直前の、とても貴重な心の休息になりました。
 
 子供のころは、一眼レフといってもレンズやフィルターを買うこともできず、技術だけで流し撮りや、夜景を撮ったりしましたが、今回はデジタル一眼。今は小型・軽量かつレンズの交換も可能な「ミラーレス」が主流だとも聞きますが、最高スペックではない私が使っているような機種なら、お値段はミラーレスよりもかえって安いくらいだとか。カメラ男子には、このちょっと大きくて適度に重い、黒いのがやっぱりいいみたい。ただ、撮影中にたびたびレンズ交換をするのは大変で、なんとかしたいと思っていますが、同じレンズが使用可能な「2台目」を手に入れるのが、今のささやかな願いです。でも実際手に入れたら、2台持ち歩くのは、やっぱり大変かも。
 
 数年前の撮影会の写真はプリントしてあり、やっぱり昔のカメラがいいなぁと思いながらも、カメラやさんでネガをデータ化してもらい、今回の撮影会の写真といっしょにiPadに入れて友だちと見たり話したりしています。こうしてじわりじわりと時代に流され、こんどカメラの話を書くころには、ミラーレス化しているのかもしれません。

J-PRESS 2013年 8月号