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5月病と私
小野

 新学期が始まり、みなさんそれぞれの環境でそれぞれのスタートをきっていることと思います。
 
 私が大学に入学したこの時期には5月病なんて言葉をよく耳にしましたが、最近はどうでしょうか。
 
 学年やクラス、あるいは学校が変わり、何か新しいことを期待しながらこの一ヶ月間が流れていってしまいます。そしてやってくるのが待ちに待ったゴールデンウィーク。
 
 ここでリフレッシュといきたいところなんですが、道路は渋滞、デパートに行けば人が多すぎて「疲れたー」と毎年同じ後悔の声が聞こえてきます。
 
 さらに気が抜けて疲れだけが残ったまま始まる5月の授業や仕事。とても、よし頑張るぞとはなれず、これではだめだと思いながらもだらだらと。なんてことに。
 
 この一連の流れから起こる「だるさ」を5月病というそうですが、こんなことならGWの無い方が志気も下がらず作業効率も上がっていいのに、と思ったことが何度もあります。
 
 でも休みは必要ですよね。一生懸命勉強して…、就職はどうするんだ?仕事頑張らないと…ばかりでは未来までも暗くなってしまいます。連休という楽しみがやる気の元になっている人も多いと思います。
 
 以前、こんな話を読んだのを覚えています。
 
 ある南の島でのお話。やしの木の下で昼寝をしている現地の男に、ビジネスでやってきたアメリカ人が声をかけた。「そんなところで寝てばかりいないで少しは働いたらどうだ。」「働いてどうするんだ。」「働いたら金が稼げるじゃないか。」「金を稼いでどうするんだ。」「銀行に預ければ大きな金になるじゃないか。」「そんなに金を貯めてどうするんだ。」「そうだなあ、南の島に別荘でも建てるか。」「別荘建ててどうするんだい?」「そうなりゃ、やしの木の下で昼寝でもするよ。」「それならもう俺はやしの木の下で昼寝してるさ。」
 
 余談ですが、おもしろいアンケート結果を聞いたことがあります。「何のために働くの?」この質問に日本人の多くは「食べる(生きていく)ためにはお金が必要だから」の答えに共感を持つそうです。
 
 ところが、海外のある場所で同じ質問をすると、即答で「遊ぶため」だそうです。日本人は生きていくためには働かねばならない。という感覚ですが、その国では、働くのは遊ぶためのお金を稼ぐため。といったところでしょうか。
 
 どちらがいいかは別として、働いてどうするか(勉強してどうするか)の目標こそ、その人のポテンシャルを引き出すのかもしれません。
 
 5月病を予防するためにもこの4月はそんな目標を持って頑張りたいものです。

J-PRESS 2012年 4月号