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カフェインの作法
深田

 久しぶりのコラム担当。なかなか筆が進まず、現在締め切り前日の深夜。眠気に負けないようにコーヒーをいれる。今日何杯目だろうか。
 
 コーヒーなどに含まれるカフェインに眠りを撃退する働きがあることまでは知っていましたが、その仕組みはどのようなものなのでしょうか。
 
 脳の中には、脳が活動し続けることを抑える「睡眠物質」と言われるものがあります。カフェインはその作用を邪魔して眠気を減らします。また、脳の「報酬系」という部分を刺激して、起きていることが楽しくしてくれるのだそうです。
 
 カフェインは、コーヒー木や茶木、カカオ木に含まれています。これらを原料とした製品は多かれ少なかれカフェインを含有しています。また豆の種類、お湯の温度、抽出時間などでカフェインの量は違ってきます。
 
 主な飲料・食品のカフェイン含有量です。
○コーヒー
 ドリップ 80~110mg [1杯あたり]
 インスタント 60~70mg [1杯あたり]
 
○紅茶
 ティーバッグ 27~40mg [1杯あたり]
 茶葉 8~30mg [1杯あたり]
 
○その他の飲み物
 コーラ 38~46mg [350mlあたり]
 ココア 1~20mg [150mlあたり]
 栄養ドリンク 50mg [1本あたり]
 
○チョコレート
 ブラック 5~35mg [1オンス:28gあたり]
 ミルク 1~15mg [1オンス:28gあたり]
 
 チョコレートやココア、コーラにカフェインが含まれていることは見落とされがち。チョコレートやココアはカフェインが少ないのですが、興奮・覚醒作用のある物質も含みます。受験勉強の合間のお菓子にも注意が必要。過剰に摂ると睡眠不足が続くことにも。
 
 睡眠物質をブロックすることで、カフェインは眠気を覚まします。この働きは覚醒の水準が低いときや疲労が激しいとき、高い効果を発揮します。
 
 朝、目覚めた時のコーヒーは、1日をすっきりした気分で始めるために理にかなっています。コーヒーブレイクやティータイムのカフェイン摂取は日中の眠気を減らしてくれます。
 
 ただ、眠りたくないから、寝る時間がないからといって、コーヒーをガブガブ飲むのは考えもの。毎日5~10杯以上のコーヒーを飲み続けると「カフェイン中毒」になることがあります。この状態になると、頭がすっきりする段階を超え、不眠や不安、不整脈などに苦しめられます。また甘い缶コーヒーをたくさん飲んでいる人は「缶コーヒー症候群」になる危険性があります。高カロリー飲料を多く飲むことが肥満につながります。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

J-PRESS 2011年 1月号