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熱狂の日
木村

 今年は春になっても寒い日が続きましたね。衣類やら暖房器具やら、どこで切り替えればいいのか困ったとか、体調を崩したりした人もおられたことでしょう。
 
 さて、5月といえば、砺波チューリップフェアや、高岡御車山祭り、ちょっと遠いですが、城端の曳山祭りもこの時期にあります。私は城端生まれでして、そのひいき目もあるかもしれませんが、城端の曳山はおすすめです。ただ、最近は曳山が通る道も広くきれいに整備されたために、その迫力は半減したようにも思いますが。城端の曳山はその車輪がギュウギュウ音を鳴らして進むことから、ギュヤマと呼ばれています。大きな音を立てながら、狭い道を進む姿は圧巻です。ぜひ一度、お出かけください。
 
 もうひとつ、5月のイベントといえば、金沢駅前の音楽堂を中心に開催される「ラ・フォル・ジュルネ(フランス語で「熱狂の日」の意味)音楽祭」があります。音楽好きの人はもちろんですが、そうでない人も、この機会にぜひクラシック音楽に触れてみませんか?という趣旨で、無料で見られるものから有料のものまで、3日間で数多くの演奏会が繰り広げられます。
 
 ラ・フォル・ジュルネとは1995年、フランス・ナント市が1ヶ月ほどかけて、8つのホールで短時間のコンサートを一斉に開催することから始まりました。年ごとに音楽祭のテーマやジャンルが指定され、世界中から一流のアーティストを迎えて行われました。「一流の演奏を低料金で提供することによって、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」との芸術監督の思いから、それぞれのコンサート1回の入場料は5~22ユーロと低めの設定であり、クラシック初心者でも気軽に音楽祭を楽しめるようになっています。
 こうしたナントでの音楽祭の成功を受けて、ポルトガルのリスボン(2000年~2006年)、スペインのビルバオ(2002年~)、東京(2005年~)、金沢(2008年~)、新潟(2010年)、大津(2010年)、ブラジルのリオデジャネイロ(2007年~)、ポーランドのワルシャワ(2010年)など、世界各地で「ラ・フォル・ジュルネ」の名を冠した音楽祭が行われています。
 
 昨年のテーマはモーツァルト、今年のテーマは中高生に人気のショパンというとこで、200もある有料公演のチケットはすべて完売とのことです。でも、この期間中、金沢駅前は大変な賑わいですので、お祭り気分で足を運んでみられてはいかがでしょう。

J-PRESS 2010年 5月号