城西セミナー城西セミナー

感動!
藤浪

 「毎日新鮮、毎日感動!」これは私が愛用している某スーパーマーケットのキャッチフレーズだが、「毎日感動!」本当にそんなことがあればいいと思う。毎日を何となく過ごすと「感動」とは無縁かもしれないが、ちょっと見方を変えると毎日とはいわないまでも、しばしば「感動」に出会えるように思う。
 そういう観点からすれば自然は「感動」の宝庫だ。たとえば、クモ。見てくれはどうしても好きになれないが、これがなかなかの職人である。先日見かけた巣はびっくりするほど遠く離れた木と木の間に張られていた。きっと風の強いときを見計らって糸を空に向けて飛ばしたのだろう。その距離もさることながら、巣作りの様子も感動的だ。円を描きつつ巣を広げる様はまさに芸術である。(うちに2台ある車と車の間にまで大きな巣を張っていたときはさすがに閉口したが)クモといえば、大学時代にとある研究室に大きな虫かごが幾つも置いてあったことを思い出す。何かと尋ねるとジョロウグモを飼っていて、その糸を研究しているとのこと。なんでも繊維が非常に強いのだそうだ。
 
 次は鳥。当セミナーの4階にある非常階段の出入り口から時折空を眺めると、種類はよくわからないがV字型の列を作って飛んでいる。「あっ、またV字で飛んでる!」思わずつぶやく。あのV字にも意味があるらしく、後ろを飛ぶ鳥は前の鳥が羽ばたくときにできる上昇気流に乗れるためエネルギーの節約になるそうだ。「へーっ、すっごい!」これまた感動。「じゃあ、先頭の鳥は上昇気流の恩恵を受けられないのでは?」そう思うと実は先頭は入れ替わるらしい。疲れたら交代ということか。そこで「ほーっ!」またまた感動。それだけではなく、後方の鳥はガーガー鳴いて先頭の鳥を励ますのだとか。「なんかほほえましいなあ。」さらにもひとつ感動。
 観点を変えると普段何気なく見ているものが実は「感動」のネタだったりする。しかし、それは意識していなければ見出すことが難しい。忙しい毎日の中にも心の余裕がほしいと思う。私自身は「なんだか近頃、ぎすぎすしてきたなあ。」と感じる今日この頃。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
 
 最後に感動をもう一つ。先日、テレビで服の染み抜きをやっていた。まず熱湯を掛け、次に換気扇・レンジ用のアルカリ性洗剤をかける。その後、熱湯を掛け、さらに漂白剤をかけ、また熱湯を掛ける。これで真っ白というものだった。そういえば、袖にどうしてもとれない染みのあるシャツが一枚あったのを思い出し試してみた。結果は・・・? ほんとうに真っ白になってしまった。「こりゃ、すごい!!」(試される方は自己責任でお願いします。)

J-PRESS 2008年 11月号