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私は「水」で考えた
石黒

 6月某日早朝、金沢に住む52歳の姉から突然の電話。55歳の義兄の早起きについて愚痴の連発。「早いがやぁ、今朝も5時起きながいぞぉ。新聞配達のお兄ちゃん、玄関で待っとるしぃ。年取ったがやろかぁ!?」聞けば玄関先に水を撒く、竹箒を持って猫の額ほどの庭に出陣するや立ち止まり、春に植えた枝豆につく害虫を指で一つひとつ摘んで見る。さりとて散歩をねだる愛犬にはお構いなし。
 
 そういう私も最近は結構早起き。寵愛するブーゲンビリアの開花が楽しみでじっとしていられない。温風ヒーターにあたり北陸の冬を越す事、早や3回。窮屈じゃないかと大きな鉢への植え替え2回、成長に必要な光線を与えるため、太陽の軌道を推測し鉢の置き場所を変える、理科系の知識をこれでもか!とフル活用。毎朝たっぷり、水分管理も完璧。買い求めたM生花店のアドヴァイスを忠実に守る。
 
 が、何故か今年は花が咲かない。葉も枝も立派に成長し、高さ105cm、直径95cm。城西セミナーで理科を教えて19年、プライドをかけて取り組む一大プロジェクト。蕾が見えなくもない、これで花が咲かないわけが無い。年齢と共に意固地になっていく自分を戒め、早速調査開始! M生花店、店主曰く「そりゃぁ先生、水のやり過ぎやわ」、後頭部をいきなり直撃する一言。問題は水に在り!?
 
 『ブーゲンビリアは、水をやり過ぎると花芽が刺になる性質があり、水は鉢土が乾いてから与えます。花の咲き終わった枝は2~3節を残して切り戻し、風通しと日当たりを常に良い状態にします。大きな鉢に植え替えると、枝が勢いよく伸び花が咲きません。樹勢が落ちつけば徐々に咲くようになります。つるが長く伸びても剪定せず、横に回すようにすると樹勢が弱まり、咲きやすくなります。』(Gardening@niftyより抜粋)
 
 先日、ある母親から学習相談を受けた。彼女曰く「幼少期の英語教育が重要と聞いて、5歳から英語教室に親子で通っています。ネイティヴな発音が不可欠でしょうから、米国人による個人指導も週一回。去年はオーストラリアで2週間ホームステイさせました。単語テストは満点なんですけど実力試験がどうも。学習時間は一日何時間必要でしょうか? 参考書や問題集を最低何冊やればいいでしょうか? 家庭教師も必要でしょうか?」。
 
 夏本番、ブーゲンビリアは強い直射日光を好み、高温で乾燥した環境下で開花する。水は控えめに。

J-PRESS 2003年 7月号