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エルドラド
木村

エルドラド(スペイン El Dorado)
 (1)16世紀頃、スペイン人が南アメリカのアマゾン河畔にあると想像していた黄金の国
 (2)宝の山、理想郷
 
 2000年3月といえばプレステ2の発売で、私もかなり注目しています。3年生のみなさんにとっては、もちろん大切な3月ですね。アメリカでこの3月、新しいアニメ映画"El Dorado エルドラド"が公開になるそうです。"DREAMWORKS ドリームワークス"の作品です。アメリカのアニメといえば、ディズニーの作品が有名です。「ディズニーはいい!」「絵がいかにもむこうの」、それぞれに感想はあると思います。私はといえば、「エルドラドってナニ?誰かの歌の詞にあったような・・・」。 もう少しいろいろ知っていれば、こうは思わないのでしょうけど。私の興味は、ここからスタートしました。
 
 「エルドラド」そのものへの興味というより、スタッフがなぜ「エルドラド」をテーマに選んだのか、彼らをそうさせた魅力は何なのか、自分が知らないからこそ知りたくなります。最近では日本でも、同じドリームワークスの映画"Prince Of Egypt プリンス オブ エジプト"が公開されました。「なぜエジプト?」 エジプトが自分には少し縁遠いものなので、そう感じました。
 
 アニメに限らず、映画の作品の中には、着眼点のおもしろいものが見られます。少し前の"Fifth Element フィフス エレメント"では、肝心の「5つの要素」はよく覚えていませんが、彼らの描く23世紀の世界、「23世紀の街なかのタクシー事情」や「気軽な宇宙旅行」は印象に残っています。アメリカで公開中の"Bicentennial Man"は「家事手伝い用に作ったロボット」の話だそうです。TVCMで地下鉄の階段を登っているロボットの、未来予想図なのかもしれません。内容もそうですが、タイトルがなぜ"Bicentennial 200年の"なのかも気になります。
 
 遺跡の発掘のアルバイトをしていた友人が、こんな話をしていました。「同僚の人に『昔の人たちの生活を想像すると、古代のロマンを感じませんか。私は石にではなく、その裏側にあるものにひかれるんです』って言われたんだけど、そんなこと言われてもねぇ」・・・私も「古代のロマン」にはそれほど魅力を感じませんが、作品に触れて「彼らが何を思いそれをテーマに選んだのか」「彼らをひきつけるものは何なのか」と感じるのは、「石を掘って感じるロマン」と同じものかもしれません。
 
 「いいものに多く触れてください、絵でも、本でも、音楽でも。それから、悪いものにも多く触れてください。そして、いいものを見分ける目を養ってください」と言われたことがあります。同じことが、料理や、旅や、人についても言えるような気がします。もちろん養うだけではなく、それらをどう活かすかが大切ですが、まずは興味をもって多くのものに接していこうと思います。

J-PRESS 2000年 2月号