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世界一
石川

 6月10日から、FIFAワールドカップが始まりますが、これはサッカーの世界一が決まる大会であると同時に、それ自体が世界一のスポーツイベントでもあります。今回はFIFAワールドカップにちなんで、いろいろな「世界一」を見てみることにしましょう。
 
 世界一といえば、ギネスブック。隅から隅まで世界一で埋め尽くされた本ですが、素直に感心できるものから、思わずあきれかえるものまで様々です。
 
 例えば、無難なところで「世界一高い山は、エヴェレストの8848m」。これぐらいだと、有名すぎてイマイチ。
 
 でも、「世界一高いトランプのタワーは、83段で4.88m」となると、結構すごいと思いませんか?アメリカのブライアン・バーグさんの記録です。一度くらいは、トランプでタワーを作ってみたことがありますよね。2、3段でもけっこう難しいですが、だからこそ、そのすごさが納得できます。
 
 265回も転校を繰り返した人がいます。これまたアメリカの、ウィルマ・ウィリアムズさんで、1933~44年の10年間のことです。単純計算で、2週間に1回転校したことになります。これも素直にすごいと思える記録です。
 
 またもアメリカ。マイケル・ハウト牧師は、110mハードルを18秒9。ただし、3個のボールでお手玉しながら。お手玉しながらハードルをするという発想だけで世界一という気もします。
 
 中には、何だかよく分からない記録もあります。
 
 日本では後藤裕之さんが、円周率を4万2195桁まで暗唱。これだけの才能、他に使い道は無いんでしょうか。
 
 アメリカのキャシー・ウォフラーさんは、リンゴの皮を52.51mつなげたままむきました。この種目にはちゃんとルールがあって、使うリンゴは567gと決まっているそうです。なぜ567gなんて半端な数字なのか???
 
 さらに摩訶不思議なのが水切り。水面をはねるように石を投げるあれですが、記録は38回。国際水切り連盟によって承認された審判員の立ち会いのもとで行わなければいけないそうですが、国際水切り連盟っていったい…
 
 一生のうちで7回雷にうたれた男となると、すごいんだか何だか、もうわけが分かりません。アメリカ人のロイ・サリバンという人だそうですが、7回目も命に別状はなかったそうです。
 
 最後に、これまでに世界一売れた本を知ってますか?
 
 約8000万部売れたギネスブックです。世界一を集めた本は、それ自体も世界一なんですね。

J-PRESS 1998年 6月号